駄文集


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2012年08月20日 17:31

今日の情報屋さん《第二話:情報屋さんの弟子から危険な香り?》

   今日も僕は公園で客を待つ。  時間は日曜の昼下がり。 「おっしろおっしろ♪」  近所の子供達が楽しそうに砂場で城を造っている。  その話から少し外れたところにいた、ひときわ大きな子供がこちらに駆けてくる。 「しっしょ~しっしょ~♪ ですます♪」  こいつは僕の弟子だ。弟子々(でしこ)と呼んでいる。  こいつがいない時は静かで良いのだが、いたらいたで暇つぶし程度にはなる。 「なんだ?」  近くに来た弟子々に僕が訊ねると、彼女は「にへへですます♪」と言いながら鞄から機械を取り出す。 「じゃじゃ~んですます! これは『師匠リプレイスメン

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2012年08月20日 17:29

今日の情報屋さん《第一話:情報屋のいる場所》

   僕はしがない情報屋だ。  今日もいつもの場所で客が来るのを待っている。  そう言っている間にほら、お客さんだ。  今日の客は常連の女性。  彼女は僕の存在を確認するとまっすぐに僕の座る席へと来る。  彼女は無言で、僕へと料金を差し出す。  やはり常連だと作法も分かっていてやり易い。  僕は料金を受け取ると、自分の脳内(データバンク)に保存された大量の情報から彼女が求めるものをつまみ出して応えてやる。 「今日は三丁目のスーパーが挽肉の特売をしている」  彼女は僕の言葉を聞いて、満足そうにしている。しかし僕もプロの情報屋だ。こんな新聞チラ

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