
駄文集
今週の弟子々ちゃん(情報屋さん外伝)《第一話:弟子々ちゃん留守番する》
「ふんふんふふ~ん ♪ですます~♪」
今日はししょーが不在のため、私がししょーの代わりにお留守番ですます。
情報屋として頑張らなければならないのですます!
「……」
と言っても、公園で座っているだけなので退屈ですます。
「あっ! そうですます!」
私はそう言ってカバンからノートパソコンを取り出すのですます。
「あのぉ」
パソコンを起動していると女の子に声をかけられましたですます。
「情報屋さんは、今日はお休みですか?」
よく見てみると、彼女は何度かししょーに会いに来ている方ですます。
「はいっですます! 今日は自分が店番をしてますですます!」
私のその発言に若干の不安を彼女は見せるですます。
失礼ですますね。私も立派な情報屋……見習いですますよ!
「えっと、貴女は学生子さんですますね?」
私がさっき起動し終わったパソコンで、彼女の外見的特徴をもとに割り出したデータを見ながら訊ねてみるですます。
「えっ? なんで」
「貴女のデータを今調べましたのですます。必要なら貴女が知りたいことも調べてみますですますよ?」
「い、いえ、大丈夫です。自分で言います」
学生子さんは私を信用してくれたようですます。
と言っても、もう知りたいことも調べ終わっているのですますが。
「あの……その…ぶ、部長の好きな人を教えて下さいっ!」
あーあですます。
そんな大声を出して羞恥心を感じないように、私が調べましょうかと訊いたのにですます。
まあこれもお仕事ですます。
きちんとお答えいたしましょうですます。
私はまた少しだけパソコンをいじるですます。
しかしヒットした人物は……学生子さんではなかったのですます。
さて、どうしたものですますかね。
「学生子さん」
「はい!」
「本当にそんな簡単に知ってしまって良いのですますか?」
「え?」
学生子さんは驚いているですます。
そりゃそうですますよね。情報屋が商品の販売を渋っているのですすますから。
「ホントにそんな簡単に知ってしまって良いのですますか? 人の気持ちは移ろい変わりゆくものですます。それをいま知った情報だけで自分の今後の行動を決めてしまって良いのですますか?」
「そ、それは…」
「そんなことをするよりも、部長さんの気を惹くために色々な行動をした方かよろしいのではないのですますか」
私がそう言うと彼女はなにかに気付いたようで、すぐに表情を変えてお礼を言いましたですます。
「ありがとう御座います! 私、頑張ってみますね!」
そう言って彼女は意気揚々と公園から去って行くですます。
「ネットを使えばなんでも分かるのですます」
そう、人の好意を寄せている相手も学生子さんを凹ませずに頑張らせるセリフも、ですます。
「今度はししょーがどこにいるのか見てみるですます!」
私はそう言って、ネット回線を通じて監視カメラにハッキングし、ししょーがいる場所を突き止める。
「ししょ~ししょ~ですます!」
『なんだ、弟子々か。どうした?』
「お客さんが来たですます!」
『ほう。いくらくらいの仕事だ?』
「0円ですます! もう帰っちゃいましたのですます」
それからししょーにお経のような呪文を唱えられたので、私は相槌プログラムを起動して砂場で遊ぶことにしましたですます。