
駄文集
伽藍球《零章~事象~》
二〇九九年―久瀬居一人、魔界へと赴く。
二一〇〇年―契約不可者を保護する人権団体『生存圈(レーベンスラウム)』結成。及び魔族の地上移住が始まる。
二一〇一年―魔族移住反対を謳う組織『人類主義(ヒユーラー)』結成。これにより世界各地で魔族も保護し始めた『生存圈』と『人類主義』の小規模な抗争が開始される。
二一〇二年―各地の抗争が激化し、国連が魔族及び契約不可者が自由に済むことができる地域『魔域』を指定。しかし、指定された地域へと移動しようとする魔族達を狙う『人類主義』と指定地域に住んでいた者たちが結託し、抗争が更に激化。
二一〇三年―『生存圈』が科学と魔術の粋を集め、戦闘用パワードスーツ『ルースタング』を開発。『人類主義』との抗争に実戦投入し、圧倒する。これにより、徐々に『人類主義』との抗争は鎮静化される。
二一〇四年―『人類主義』の中枢にいた幹部が何者かに暗殺される。当然『生存圈』に嫌疑が向けられるが、証拠不十分により検挙できず、『人類主義』は劣勢に追いやられていく。
二一〇五年―国連が『人類主義』の組織解体命令を出す。これにより約五年に渡った抗争は一応終了する。しかし水面下では『人類主義』の残党が動いているという噂は絶えない。
二一〇六年―『生存圈』の研究成果により、契約不可者にも扱える『ルースタング』が開発され、世界各地で建築や救助、抗争で被害を被った地域での復興作業など『生存圈』の功績が認められ始める。
二一〇七年―『魔域』の拡大を『生存圈』が国連に訴え始め、国連所属国内でも議論が激化する。
二一〇八年―『生存圈』の研究成果や『ルースタング』を使用した奉仕活動などの功績が認められ、妥協策としてグリーンランドを『レーベンスラウム国』として認められる案が提案、承諾される。
二一〇九年―魔族・契約可、不可者関係なく生活できる新たな国家『レーベンスラウム』は人種に構わず、日々国民を増やしていき、更に地上では久しく魔術に頼らない科学技術の発展も見られ、世界から注目される。が、その反面、執政や税徴収など様々な国家として根本的なシステムの構築に苦労する。そんな状況を打破する為、一部派閥の主動により『レーベンスラウム』の初代国家元首に久瀬居一人が就任。