駄文集


慣性の集束

 起き上がり小法師という物をご存知だろうか?
 倒しても倒しても起き上がる、あれのことだ。
 けして、無限にポップする雑魚モンスターではない。
 そして、その起き上がり小法師は、一度倒すと、ゆらゆらと力の作用する方向へと動いては戻る。
 徐々にその振り幅を短くして行き、最終的には元の姿勢に戻る。
 七転び八起きと言った感じだろうか。
 勿論、回数はちがうだろうが、更に追求されれば意味も違うが、字面から予想できるイメージで、と言う意味だ。
 起き上がり小法師は面白い。
 何度倒しても、起き上がる。
 勿論、倒しても、人とは違い、寝るとか座るといった姿勢になるわけではないので、人間よりも構造上、そうなり易いという特徴がある。
 人間もそんな特徴があれば、もう少し前向きになれるだろうに。
 前向きにも後ろ向きにも、倒れては起き上がれるだろうに。
 それが利点かどうかは、起き上がり小法師ではない私には分からないが。